チビアフ

【チビアフ第7話】”ヤマダの夢事件”勃発--●●で生きるためアフリカへ

投稿日:2019年1月23日 更新日:

仕事がうまくいき始め、会社で表彰を受ける。

友人にも恵まれ、家族も健康。

平日の夜はボルダリング、週末はサーフィン。

 

ストレスも不安も無く毎日楽しく過ごしていた僕。

「幸せ」と言える状態だったと思います。

ですが、なぜかこの生活に「物足りなさ」を感じていました。

 

「自分は今後なにを目標に生きていけばいいのか?」

ふと、こんな疑問を持つようになりました。

「自分は幸せだ」と思っていたので、これ以上何を目標にして良いのか分からなかったのです。

 

「幸せなのだから現状維持で良いのでは?」

「足るを知るべきではないか」

と思う一方で、

 

「俺の人生って本当にこんなもんなのか?」

「全力を出さずに生きる人生って違うのでは?」

と感じました。

 

そうです。

物足りなさの正体は「全力を出して生きていない」という実感でした。

 

(私は覚えていないのですが、友人達曰く、当時私から電話がかかってきて、「お前の夢は何だ!」と急に聞いてくる事があったそうです。友人からは「山田の夢事件」と命名されていたとかいないとか)

 

「満足できていないという事は、これは幸せな状態ではないのでは?」

と感じた僕は、人生や幸せについて色々と考えるように。

 

「幸せとは、自分が全力を出し続けて生きていく事」

考えて辿り着いたのは「試行錯誤こそが人生の醍醐味」という答えでした。

 

仕事の結果が出ず、うまくいかなかった時期はあんなに苦しかったのに、実はその試行錯誤こそが人生の幸せだったのかもしれないと感じ、自分でも不思議な気持ちになりました。

何か新しい事に挑戦しなくてはと思い、プログラミングや英会話の勉強を始めましたが、「なんか違う」と感じて続きませんでした。

 

「大きな事に挑戦しなければ、この感情は満たされない」

そう思いながらも、僕は不安を感じていました。

新しい事に挑戦するために、いまの生活を捨てる事が怖かったのです。

 

「毎日楽しく何不自由ない生活をしているこの日常を捨てるのか」

「せっかくうまく行き始めたのにわざわざ自分で苦しい道を選ぶ必要があるのか」

「もしうまく行かなかったらどうしよう」

などと思い、挑戦したい気持ちがありつつも一歩を踏み出せない自分に悶々としていました。

 

そんなある日、アフリカ好きの友人から突然、

「俺西アフリカ行こうと思ってるんだけど、山田も一緒に行こうぜ!」

と冗談のような軽い口調で誘われました。

 

僕は当然、いやいや行かないから、と軽く断りました。というのも当時の僕は、

 

「僕は日本人だ。日本経済の将来の見通しが暗く、かつ自分が海外好きだからといって、海外で働くのは母国を捨てているのと同じではないか。日本人なのだから、日本を元気にするために全力で動くのだ。」

「日本は、経済面よりも個々人の精神面に問題がある。これほど豊かで素晴らしい国なのに、他国を知らないためにそれを当たり前だと感じ素晴らしさに気付いていない人や、将来への不安から現在の生活を楽しめていない人があまりに多いのではないか。私は日本人の考え方を変えるために行動したい。」

と思っていたからです。

 

その数か月後、彼からまた突然、以下のような1通のメールが届きました。

「そろそろセネガル行く準備できた?」

その時も断りましたが、彼がセネガルを選んだ理由が気になりました。

前述の通り人生に悩んでいた僕は、周囲の人の人生の決断を、自身の人生の参考にしたいと感じていたからです。

 

彼は電話で、

「将来西アフリカで雇用を生み出したい」

「まずは西アフリカでのビジネスに必要なフランス語を学びつつ、ビジネスの可能性を探りたい」

と言っていました。

 

僕は彼に、海外で働く事に対する私の考え方を述べました。

すると彼は、

「いいじゃん。人間って括りで考えようぜ。」

と言ったのです。その時、僕はいままでの自分の視野の小ささに気が付きました。

そしてその時初めて、彼のアイデアが自分にとって良いものであるかも知れないと感じました。

 

また、彼から勧められて岡本太郎さんの『自分の中に毒を持て』という本を読みました。

岡本太郎さんと僕の考えはほとんど同じといっても良いほどに似ている部分が多く、まるで自分の幸せについての考えを肯定してもらった気がして、とても嬉しかった事を覚えています。

また、本書の中にある、

よく考えてみてほしい。あれかこれかという場合に、なぜ迷うのか。

こうやったら食えないかもしれない、もう一方の道は誰でもが選ぶ、ちゃんと食えることが保証された安全な道だ。それなら迷うことはないはずだ。もし食うことだけを考えるなら。

そうじゃないから迷うんだ。危険だ、という道は必ず、自分の行きたい道なのだ。

という言葉を読み、自分が本当にやりたい事は、現在の生活の維持継続ではなく、何かに挑戦する事だと納得する事ができました。

 

そこで、

「自分が毎日全力を出し続けて、人生を燃えるように生きるための目標を立てよう」

「毎日やり続けたい事をやって生きよう」

と思い、何をやろうか、と真剣に考えました。

 

俳優になろうか(幼少期は劇団に所属し大河ドラマのオーディションを受けたり、小学校では毎年劇の主役をやるなど、演劇が好きだったので)、いや歌手になろう(歌うのが大好きで声が大きいので)、プロサーファーを目指そうか(当時サーフィンに熱中していました。下手でしたが、これなら365日やりたい、という想いがありました。いま、プロサーファーを目指しています)、ナックルボールを習得してプロ野球選手になろうか、etc…

など、本当に真剣に考えていました。

 

一方で、大学時代からいつかは起業すると決めていたので、ビジネスで成功するのは頭が良さそうで(笑)格好良いしやってみたい、ビジネスで世の中に影響を与えたい、という想いもありました。

また、営業の仕事の経験から「人の役に立つ事は自分の存在意義を感じる事ができる人生の喜びだ」という実感があったので、困っている人が多い場所で働く方がやりがいがあるかもしれないと感じました。

そして、「どうせなら他の人がやっていない事をやりたい」という想いもありました。

 

そんななかで、世界中の人々が注力しているのに解決されない「貧困問題」を含む多くの社会課題を持つイメージがあり、かつ自分にとって未知の大陸だった「アフリカ」に興味を持ちました。

数か月間、私はセネガルおよび他のアフリカの国、援助と開発の成果と課題、貧困問題の解決方法などについて調べました。

 

当時、

「日本企業が少ない地域での経済活動に意義があるのではないか」

「海がある国に住みたい」

「仕事で色々な国に行ってみたい」

「事故や事件で早死にはしたくない」

と感じていた僕。

 

・日本人にとって言語的ハードルが高い非英語圏

・日本企業が少ない

・治安が安定している

・海に面している国

と条件を絞っていきましたが、セネガルはそれに当てはまっていました。

 

そして2013年の夏。

ある日、彼に突然メールしてこう言いました。

「セネガル行きについて話したい。」

 

最後までサーフィンに人生を賭けようか迷いましたが、ビジネスによる自己実現欲求の強さ、そして「友達とこんな挑戦ができるのは人生最初で最後だろう」という気持ちが勝り、「1年後の2014年9月にセネガルに移住しよう」と決め、ゼロからフランス語の勉強を始めました。

(奇しくもその数か月後、医師からヘルニアと診断され、「最悪死ぬ可能性があるから当分サーフィンはやめなさい」とドクターストップを宣告された事もあり、これはセネガル行きに集中しろ、という事なのだと思いました)

 

ところが、なんとその約半年後、友人が突然ナイジェリアへ行くかも、と僕に言いました。

つまりそれは、僕が一人でセネガルへ行くという事になります。

迷いましたが、そこで踏ん切りがつきました。僕は一人でもセネガルへ行く事を心に決めました。

 

準備を進めるなかで、改めてセネガル人やセネガルとのビジネスを行っている方の話を聞いたり、日本企業がほとんど進出していない状況を鑑みて、「これからの国だからこそ、自分達にもチャンスがある」と感じました。

そして、今回のセネガル滞在での活動目標を「フランス語のスキルを磨きビジネスの可能性を見つける」から「フランス語のスキルを磨きビジネスを始めて軌道に乗せる」と変更しました。

 

そして迎えた2014年夏。渡航が迫るなか、西アフリカではエボラ出血熱が流行していました。

 

両親含め、周囲からの心配の声には、

「セネガルは出ていないし大丈夫だ」

と言ってきたのですが、奇しくも渡航直前の8月末、セネガルでもエボラ出血熱の感染者が確認されました。

 

「絶対に行かない方が良い」

と皆から止められましたが、セネガル在住経験者やJICAの方のお話を参考に、渡航を決めました。

(決め手は、私の出発予定日の10日後に青年海外協力隊の派遣が予定されていて、それがエボラ出血熱患者発見のニュース後も派遣中止になっていなかった事です。JICAが派遣を中止しないという事は大丈夫だと判断しました。)

前職退職時に送別会を開いてくださいました

(前回見逃した方へ 第6話はコチラ

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