イスラム教

イスラム教徒はコーランを読んでいない?イスラム教とコーランを知るためのおすすめ本5選

投稿日:2018年12月31日 更新日:

日本では、イスラム教に関する本が沢山出ています。webでもイスラム教(徒)に関する情報を目にする機会が増えてきましたが、中には実態とかけ離れたような情報もあります。

そこで今回は、イスラム教徒94%のセネガル共和国在住5年目で、実際の彼らの生活を見ている僕が、イスラム教とコーランを理解するのに役立つと感じた書籍5冊を紹介します。

 

イスラム教は、日本人からするとまだまだ馴染みが薄いです。人はよく知らないもの、分からないものは不安に感じますし、日本ではISISの事などの報道の影響で

「イスラム教(徒)って怖いのかな…」

と漠然としたイメージをお持ちの方もいまだに多いようです。

 

無知から来る不信感や不安。であれば、もう少し知ってみませんか?

なお本は「おすすめの読む順番」で並べています。

(また、僕自身は普段は「イスラーム」「ムスリム・ムスリマ」という言葉を用いる事が多いですが、以下では表記はすべて「イスラム教」「イスラム教徒」で統一します)

 

イスラム教とコーランの本1『まんがで読破 コーラン』

『まんがで読破』シリーズ、ご存知ですか?

世界の古典・名作をまんがで分かりやすく簡潔にまとめている本です。聖書から小説まで、幅広くシリーズ化されています。

僕は難解な本(言葉遣いが独特の古典など)を読んで挫折した経験が何度かあります。原書を読む前にこのシリーズに目を通すと、難解な本でも頭に入って来やすくなるため、とてもオススメです。

コーランも、まずこの本に目を通してから挑戦すると、少し分かりやすくなると思います。

 

イスラム教とコーランの本2『コーランを知っていますか』新潮文庫 阿刀田高著

created by Rinker
¥637 (2019/07/23 08:01:02時点 Amazon調べ-詳細)

まんがで読破シリーズの次に「かみ砕かれてとっつきやすい」のが本書。

作家の阿刀田高氏は本書だけでなく難解な本を軽妙に説明する本を多数記しています。

旧約聖書を知っていますか』『新約聖書を知っていますか』『楽しい古事記』など)

 

「コーランについての雑談」とまでは言いませんが、コーランの内容を、小説家の著者なりに「面白く」紹介しようとしています。

正直本書では、イスラム教およびコーランの内容をしっかり把握する事は難しいですが、とっかかりには良い本だと思います。

 

イスラム教とコーランの本3『コーラン(上)(中)(下)』岩波文庫 井筒俊彦訳

created by Rinker
¥1,091 (2019/07/23 08:01:03時点 Amazon調べ-詳細)

ここで、ついにコーランの日本語訳です。

訳者の井筒俊彦氏は、イスラム教関連の学者。30か国語以上が話せる「語学の天才」としても有名ですね。

実はあまり知られていませんが、ことし7月には、日本でも彼の映画が公開されていました(『シャルギー(東洋人)』)。

コーランそのもの以外にも、以下のようにコーランやアラビア文化、そして哲学書などを多数記されている日本有数の知識人です。

年末年始、大人がおさえるべき教養の一つとして、彼の本に目を通してみてはいかがでしょうか。

 

イスラム教とコーランの本4『イスラームとは何か』講談社現代新書 小杉秦著

タイトルの通り、イスラームとは何か、歴史とともに分かりやすく説明してくれる本です。

(実は「イスラーム」という言葉は「神に絶対的な帰依・服従を誓う”教え”」という意味があるので、本来は「教」とわざわざ付けなくて良いのです。ですが、日本では宗教にはすべて「教」とつくため、便宜的に「イスラム教」と呼ばれています)

 

本書は「堅苦しくなく、しかし深く、じっくりと」をテーマにしているだけあって、平易な言葉で語られています。

とは言え、いきなり読むには少しハードルが高いので、4冊目としました。

イスラム教誕生当時のアラビア半島の「文明外だった」状況から、現代社会に適応・通用するように変化を遂げるコーラン(クルアーン)の解釈まで、網羅的に記されています。

特に、最後の第九章「現代社会とイスラーム」が見どころです。

あと、個人的には「アザーン(お祈りの呼びかけ)の始まり」の解説が興味深かったです。

 

イスラム教とコーランの本5『コーランには本当は何が書かれていたか?』文藝春秋 カーラテン・パワー著

created by Rinker
¥2,052 (2019/07/23 08:01:04時点 Amazon調べ-詳細)

著者「実は私はコーランを読んだことがないの」

学者「ほとんどのイスラム教徒も読んでいません」

学者「もし読んだことがあったとしても、理解はしていない」

 

「えっ!?」

と感じた方は、間違いなく楽しめる一冊。きっと目からウロコな情報が満載です。

 

イギリス人女性がイスラーム学者とコーランを学んでいく過程を記したエッセイです。

本書だけではダメですし、情景描写が邪魔と感じる点も多々あるのですが、その点を差し引いても、ある意味5冊のうちでも一番オススメです。

なぜなら、上記の著者と学者のやり取りと同様の事を、セネガルの人と話していて、ひしひしと感じているからです。

 

僕は元々、「イスラム教徒の多い国の文化を理解するにはコーランを読まなければ」と思っていました。

しかし、コーランには解釈の余地があまりに多く、実はイスラム教徒でも「○○(本書参照)」を参考にしている事が多いのです。

 

繰り返しますが、上述の通り、この本だけでは全然です。ですが、ある意味、本書がいちばん「イスラム教に興味を持たせてくれる」でしょう。

 

イスラム教についてもっと知りたくなったらセネガルで来るのもアリです

百聞は一見に如かず。ぜひ、遊びにいらしてください。セネガルでお待ちしています。

 

米国Amazon倉庫で働くイスラム教徒の抗議について

2018年12月、米国Amazon倉庫で働くイスラム教徒が、礼拝時間の取れない労働環境について抗議をし、大きな話題となりました。

本件について、考察を記しました。

こんな記事もおすすめです


セネガル山田のTwitter(@africa_shokai)では、ブログより先出しで、ブログ記事の元になる情報をつぶやいたりしています。
セネガル山田のLINE@では、記事やYouTubeの最新情報をお届けします。

Copyright© The Sene Yama Times , 2019 All Rights Reserved.