20年間千葉県民でした。セネガル山田( @africa_shokai )です。
2015年10月刊行。船橋を舞台にした吉本ばななの小説、その名も『ふなふな船橋』。
なんとこれ、あの超有名ゆるキャラ「ふなっしー」と全面コラボした小説なんです。
正直、色々と考えさせられた作品でした(笑)
以下、ネタバレを含むあらすじ、および読んだ感想(書評)などを解説していきます。
(吉本ばななさんの他作品の書評はコチラ→『TUGUMI』『キッチン』『うたかた/サンクチュアリ』『哀しい予感』)
目次
吉本ばなな『ふなふな船橋』の登場人物
登場人物はそれほど多くない上、名前も特徴的なので、混乱することなく読み進められると思います。
立石花(主人公)
30歳(?)の本のセレクトショップの店長。この物語の語り手。
15歳の時からおばさんの奈美のマンションに同居している。
奈美(主人公のおば?)
船橋のマンションに住んでいる美人なおば。
独身を貫き通している。
花の母
父と離婚して他の男性と結婚する。
花との別居にあたりふなっしーのぬいぐるみをプレゼントする。
花の父
借金苦での夜逃げを機に、妻と離婚。
俊介(花の恋人)
長野の高級蕎麦屋の跡取り息子。病弱。
現在はそばのネット視点の店長として働いている。
早川さん
俊介が通う病院にボランティアとして来ていた女性。
俊介の新しい恋人。
幸子
花の友達。
ほとんど家から出ないで生活している変わり者。
吉本ばなな『ふなふな船橋』のかんたんなあらすじ(ネタバレ有り)
立石花が15歳の時、父親が借金を作って夜逃げ。母親は新しく出会った男性と結婚することに。
そこで花は、母の説得を断り、船橋在住のおば、奈美のマンションに同居する事を決めた。
その時母からもらったふなっしーのぬいぐるみを大切にしている。
それから15年。
本のセレクトショップの店長をしつつ、おばとも仲良く暮らしながら、恋人もいるという、一見平凡で幸せな日常。
だが、俊介にフラれた夜に見たある少女の夢から、物語は急展開を迎える。
おばの買ったマンションの秘密とは?
夢の少女が話した場所は実在するのか?
少女のおねがいを叶えようと決意した花だが…
吉本ばなな『ふなふな船橋』の名言
ふなふな船橋には、人生への示唆に富んだ沢山の名言があったのだと思います。
が…
正直、後述の理由で頭に内容が全く入って来ませんでした。
吉本ばなな『ふなふな船橋』の評価
4点(10点満点中)
吉本ばなな『ふなふな船橋』の感想
ここでは、僕の個人的な感想を記したいと思います。
ふなっしーのインパクトのせいで物語に入り込めない(笑)
もうね、これなんですよ。
ふなっしー邪魔!笑
いや僕、どっちかと言ったらふなっしー好きなんですよ。
元千葉県民だし、あのキャラも面白いと思うし。
そうやってふなっしーの事多少知ってるからだとは思うんですけど、もうね。
あの動きが頭をよぎるんですよ。物語のいい時に。
いいムードとか、あのジャンプと縦揺れが完全にぶち壊してくるんですよね。
物語が匿名で記されている意味を理解するには良い小説
「なんで店名とか人名とか実名で書かないんだろう?」
今まで小説を読んでいてよく思っていた事です。
もちろん、各種権利に抵触する事はいけませんが、別にセブンやローソンって単語位出しても良いのではと。
ですが、今回で分かりました。
現実に戻されちゃうんですね。
小説の醍醐味の一つに「「物語への没入による日常からの解放」ってあると思うんですが、実在するものだと、そこでの自分のエピソードとか思い出してしまって、なんか邪魔されるものとかあるんですよね。
こういう体験が初めてだったので、斬新でした。
吉本ばなな『ふなふな船橋』が好きな人におすすめの作家と本
ばななさんの本はもちろんですが、あえて他の作家の本をおすすめしておきます。
ぜひ読んでみてください。
武者小路実篤
白樺派の思想代名詞的存在の武者小路実篤(むしゃのこうじさねあつ)。
理想主義的な言動で知られる彼の作品は、やはり人間の美しさを感じられる作品となっています。
吉本ばななさんの本と似ているのは、清涼な読後感。
きっと好きになると思います。
僕のおすすめは以下の3冊です。
吉本ばなな『ふなふな船橋』以外の作品もおすすめです
ばななさんの作品は、どれも読後感が気持ち良いです。
一度ハマると、ずっと読んでいたくなるでしょう。
Kindle版も文庫もどちらもあるので、ぜひ読んでみてください。