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【映画『HANA-BI』あらすじと解説】ラストシーンは納得。北野武が世界で評価された「静かな男の狂気と愛」の物語【ネタバレ有】

投稿日:2019年1月1日 更新日:


サバ?鯖!セネガル山田( @africa_shokai )です。



1998年公開。北野武(ビートたけし)7作目となる映画『HANA-BI』。

第54回ヴェネツィア国際映画祭で、日本映画として40年ぶりに金獅子賞を受賞しました。

僕は北野作品の中では、3作目『あの夏、いちばん静かな海。』が断トツで一番好きなのですが、その理由として、極力セリフを排した作品作りが挙げられます。

この作品も主人公と妻のセリフは少なく、映像と音楽で表現していきます。

そうした意味では北野イズムが存分に発揮されています。以下、ネタバレを含むあらすじ紹介と感想です。

 

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映画『HANA-BI』のキャッチコピー

「その時に抱きとめてくれるひとがいますか」

 

映画『HANA-BI』の上映時間

103分

 

映画『HANA-BI』の監督

「世界のキタノ」と評される北野武(ビートたけしの本名)です。

 

映画『HANA-BI』の音楽は「久石譲氏」

久石譲氏が担当。ジブリの音楽などでおなじみですね。

 

映画『HANA-BI』のロケ地

東京都新宿区(靖国通りなど)、神奈川県横須賀市(野比の海岸)鎌倉市(光明寺など)、川崎市(川﨑駅など)、茨城県高萩市(赤浜海岸)、新潟県南魚沼市(温泉旅館「大沢館」)など。

野比の海岸は北野作品で繰り返し使われている場所ですね。横須賀市は結構映画の撮影で使われる事が多いみたいですね。

 

映画『HANA-BI』のキャスト

ビートたけし、岸本加世子、大杉漣、寺島進、芦川誠、逸見太郎、西沢仁太、白竜、大家由祐子、ショー小菅、ガンビーノ小林、渡辺哲、岸菜愛、玉袋筋太郎、矢島健一、つまみ枝豆など。

大杉漣さんの名演技が光りますね。僕は岸本加世子さんの演技と雰囲気から、なぜか樹木希林さんを思い出しました。

玉袋筋太郎、チョイ役すぎるw

 

映画『HANA-BI』のあらすじ(ネタバレ有り)

刑事の西(ビートたけし)の妻(岸本加世子)は、不治の病に冒され余命も長くありません。

ある日、捜査中に見舞いに行ったところ、自分の代わりに張り込んでくれていた同僚の堀部(大杉漣)が犯人に撃たれ、歩けない体になってしまいます。その後犯人を追い詰めるも、犯人の抵抗により西の部下の田中(芦川誠)が命を落とします。西は犯人を射殺し、その死体に何発も銃弾を撃ち込む。これが問題となったのか、西は懲戒処分となった様子。警察をやめる事になります。

 

その後西は、ヤクザから借金をして暮らすも、返済が滞っていってしまいます。

妻と子供に見捨てられた堀部は絵を描き始めました。

 

そこで西は、自作のパトカーを用意し、銀行強盗を行い成功。堀部に絵の道具、田中の妻には大金を送るなど、気遣いも欠かしませんでした。そして、ヤクザにも金を返したうえで、妻を最後の旅行へ連れて行きます。

 

銀行強盗が起きたと聞き、ふと西の自宅に電話をかけた西の元部下の中村(寺島進)ですが、電話がつながりません。不審に思った中村は、部下の永井(逸見太郎)と西の足取りを追います。

西が妻と旅行中、ヤクザが銀行強盗の事を嗅ぎつけ、金を要求して来ました。西は全員を殺します。そんななか、中村達の捜査の手が迫り、ついに西達は見つかってしまいます。

 

映画『HANA-BI』のラストシーン--北野武はなぜ少女役に実娘を起用したのか?正直少し興ざめした

まずラストシーンの解説です。

 

上記の通り、中村達に見つかった西。

「ヤクザの死体、見ましたよ」という中村に、

「ちょっと待ってくんねえか。もうちょっと待ってくれ」と返す西。

そして、西の妻の「ありがとう…ごめんね」という一言を聞き、肩を抱き寄せる西。

そして響き渡る二発の銃声。

 

「その時に抱きとめてくれるひとがいますか」というキャッチフレーズの”その時”とは、この時(死ぬ間際)だったのかも知れません。

 

さて、このラストシーンで、西夫妻の前で、一人の少女が凧あげをしています。

この少女、何を隠そう北野武監督の実の娘である「北野井子(きたのしょうこ)」なのです。

 

何か深い意味があったのか?と色々と考えましたが、答えは出ませんでした。

身内だから使った感のあるこのキャスティングは、少し興ざめしてしまいました。

 

映画『HANA-BI』の評価

7.5点(10点満点中)

 

映画『HANA-BI』の考察・解説・感想

「ハードボイルド」なんて存在しない。何かの終りとハードボイルド風北野劇場

いつもハードボイルドに見える男でも、中身は普通の人間。ひとたび職場を離れれば、一人の父であり、一人の夫。人間はいつでも愛を求めている。この映画の登場人物たちはそんなことを教えてくれるように思います。

堀部が妻に見限られた事、西が病気で余命わずかの妻と別れる事。離婚と病気、どちらも形は違いますが、この妻との別れを思う辛さ、寂しさは同じです。

 

堀部は、この寂しさと共生する道を選びました。それの象徴となるのが「頭が花(HANA)になった絵」です。 花はここでは未来への希望を感じさせ、そして生を選択した象徴として描かれています。

 

一方、妻の最後の言葉を聞いて、西はもちろん嬉しかったと思います。ですが、こんな妻を、自分は救うことができない。妻はまもなく死ぬんだ。そういった悲しさも同時にこみ上げているものと思います。だからこそ西は、最後まで一緒にいたい、離れずに一緒にいたいと、妻との心中を選んだのではないでしょうか。警察を辞めたのに、西は最後まで銃を持ち続けていました。

僕は、この銃が『HANA-BI』というタイトルのBI(火)の部分を指すのではないかと考えています。

 

二人の男の妻との別れが、花と火、つまり生と死という対極である事柄とともに描かれています。

 

人生は花のように儚く散る

積み上げてきたキャリア。紡いできた絆。自分の人生を形作り支えている盤石そうな基盤なんて、いとも簡単に崩れる。本作ではそれをまざまざと見せつけられます。

花のように人生で輝ける時は実は一瞬なのかもしれません。そしてその後は花も無くなり、枯れていくだけなのかもしれません。それでも、人生は続いていくのです。

 

「枯れた花に水をあげる事には意味は無い?本当にそう?」

僕はこの映画からそんな問いを突きつけられた気がします。

 

狂気を感じる北野氏作の絵

作中で堀部が描いている絵、これはなんと北野氏が描いたものとの事。

この絵を見た時僕は圧倒的な違和感と 気持ち悪さを感じました。

芸術が「自己表現」なのだとすると、僕の心をざわつかせた北野氏の絵は、僕にとっては芸術だったと言えます。

 

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