先日、タリーズコーヒージャパン創業者の松田公太さんのインタビューを行いました。いい機会なので、コーヒーについて記してみようかと思います。
(先日宿にコーヒー産業に携わっていた方が来ていたのもきっかけです)
僕はコーヒーマニアというわけではないのですが、大学時代に少しだけワインの勉強していたこともあり、そこから派生してコーヒーには興味を持っていました。
一部では「コーヒーが二次元ならワインは三次元(コーヒーに加え経年による味の変化があるため)」と言われますが、コーヒーの世界も相当奥が深いです。 そこで今回はコーヒーの種類について、簡単に紹介をしたいと思います。
目次
コーヒーの種類は大別すると2種類
スターバックスやタリーズなどシアトル系スペシャルティコーヒーのチェーン店が増えるにつれ、日本でもコーヒーやコーヒー豆の種類を意識する人が増えてきたように思います。
コーヒーは、大別すると、
・スペシャルティコーヒー(カップオブエクセランス、トップオブトップなど)
・それ以外(コモディティコーヒー、オフグレードコーヒー)
の2種類です。
スペシャルティコーヒーとは「上位数%の高品質・高価格のコーヒー」
ざっくり言うとスペシャルティコーヒーとは「生産国、産出地域、農園名、精製方法、品種等が特定でき、高レベルの収穫・精製・選別等によりカップになった際に高品質を確認できる高価格のコーヒー」、つまり「高品質・高価格のおいしいコーヒー」の事です。
上述の通り、スターバックス、タリーズ、ブルーボトルコーヒー、上島珈琲店など、さまざまなチェーン店でスペシャリティコーヒーを飲む事ができます。
プレミアムコーヒー(70-79点)の特徴は手ごろな価格とおいしさ
プレミアムコーヒーは、スペシャルティコーヒーの次に高品質な、コモディティコーヒーの一種です。
僕はコーヒーの事を知るまでは、響き的にこの「プレミアムコーヒー」が最高級なのかと思っていました。
点数としては70-79点と、スペシャルティには一歩及ばないものの、高品質のコーヒーです。
コマーシャルコーヒー(50-69点)は安価な大衆向けコーヒー
コマーシャルコーヒーは、コモディティコーヒーの一種です。日本に入ってくるコーヒー豆は基本的にこのラインまでのものです。
規格外コーヒー・オフグレードコーヒー(49点未満)はインスタントコーヒーや生産国内消費向け
規格外コーヒー・オフグレードコーヒーは、豆としてではなく、インスタントコーヒーとして加工されたり、豆の生産国内で消費されています。
コーヒーの評価方法はシンプルだけど複雑
コーヒーの評価は、コーヒーのソムリエ的な人達「カッパー」が、品評会でコーヒーの格付をする事で決まります。
スペシャルティコーヒーの中にもランクがあり、80-84点を「スペシャルティコーヒー」85-89点を「カップ・オブ・エクセランス(COE)またはスペシャルティ・オリジン」、そして90点以上のコーヒーを「トップオブトップ またはスペシャルティ・レア」と呼びます。
「飲んで決める」と聞くと単純そうですが、素人では到底理解できない世界です。
まず、カッパーになるには約20(カッパーを目指していた方から聞いた話によると23あるらしい?)のテストをすべてパスしなければならず、非常に狭き門なのだそうです。
人なので味覚には個人差がありますが、品評会前の「点数合わせ」により評価基準を統一し、どのカッパーも同じ視点から評価を行うそうなのですが、これってめちゃめちゃすごくないですか…?
なお、当記事でのコーヒーの種類は「SCAA(Specialty Coffee Association of America 米国スペシャルティコーヒー協会)」の基準をベースにしています。
これとは別にさまざまな評価基準がある
正直これ以上踏み出すと大変なので詳細への言及は避けますが、まずスペシャルティコーヒーに関してもアメリカ、日本、ヨーロッパなどで微妙な基準の違いがあり、また産地ごとに異なる基準で等級を定めていたりと(例:標高)、本当にさまざまな種類があります。
ワインは隣接する土地でも斜面が違うだけで違う評価になるなど細かいのですが、コーヒーもそれに負けず劣らず、奥の深い世界だと改めて感じました。
日本では世界中のコーヒーが楽しめますし、またアフリカはコーヒー豆の産地が沢山あります(注)ので、アフリカ旅行をしつつコーヒーの飲み比べをしてみるのも楽しいかもしれません。
(注)アフリカ諸国の中でコーヒー豆生産量1千トン以上の国は以下の通りです。
エチオピア、ウガンダ、コートジボワール、タンザニア、マダガスカル、ケニア、コンゴ民主共和国、シエラレオネ、ルワンダ、ギニア、中央アフリカ、マラウイ、コンゴ共和国、ナイジェリアなど
参考図書
『オール・アバウト・コーヒー―コーヒー文化の集大成』
926ページの大ボリューム。コーヒーの歴史から生産技術、器具にいたるまで、コーヒー業界のあらゆる内容を取り上げた古典的名著と言われています。Amazonでは価格が「3万円」と超高値がついていて、なかなか手が出ません。
が、なんと去年、上記本の抄訳本が「文庫本」で出ました。「千円台」とかなりお買い得になっているので、気になる方はご覧になってみてはいかがでしょうか。
『フェアトレードのおかしな真実――僕は本当に良いビジネスを探す旅に出た』
記事をご覧のあなたも、もしかしたら「フェアトレードだから」という理由で、なにかの商品を買った事があるかもしれません。本書は、コーヒー生産とよく結びついて語られる「フェアトレード」の真実について記したものです。
『クォータリー あっと 3号』
2006年と少し前の本ですが、現在Amazonでは中古ながら1円(送料含めても数百円)と安価に手に入る季刊の雑誌です。
60ページにも渡る特集「コーヒーの世界システムと対抗運動」では、コーヒーという古くて新しい「植民地作物」について、価格形成メカニズムの分析やフェアトレードの現状と課題、また日本のコーヒー産業の特異点についてなど、さまざまな論客が寄稿していて、読みごたえがあります。
とか言いながらセネガルきてからコーヒー飲んでない(笑)
なんだかんだと記してきたんですが、実は僕セネガルに来てからコーヒーぜんぜん飲んでません(笑)
日本にいる時は毎日のように飲んでいたのですが、やはり喫茶店にいかなくなったのが大きいですね。
セネガルは日本と違ってカフェ自体どこにでもあるわけでもないし、手頃な所って少ないんですよね…いまでは飲むとカフェインが効きすぎて少しクラクラしますw
という事で、コーヒーを楽しめる日本にいるあなたは、これを機会にコーヒー店巡りをするのも面白いかも知れません。