(前回見逃した方へ 第7話はコチラ)
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買ったのは、片道切符。
不退転の覚悟でした。
西アフリカでエボラ出血熱が流行し、セネガルにも隣国から感染者1名入国。
そんなさなか、ついにセネガルへ向けて出発しました。
(中東色の強いエジプトを除き)初めてのアフリカ。もちろん初めてのブラックアフリカ。
僕はスペイン経由で行ったのですが、セネガル行きの飛行機は、黒人の方達でいっぱい。
飛行機内で席を自由に移動したり、みんなでワイワイやっているのを見て
「あれ、修学旅行のバスかな?」
と感じました。
時刻は夜中0時過ぎ。
そうこうしているうちに、ついにセネガルに到着。
そうです。初アフリカなのに夜中到着便にしてしまったのです。
到着直後は、大量の黒人に圧倒され、不安に感じたのを覚えています。
実は日本出国前、セネガル人の知り合いを作ろうと動いていた結果、なんか奇跡的に優しいセネガル人と繋がりました。
なんと、家に1年間ほど、無料でホームステイをさせてくれるというのです。
しかも食費とかもすべて無料で良いとの事。
電気は通ってないが、家には発電機もあるから必要な時はつけると。
・・・
あまりに良い条件過ぎる…
さすがにこんなうまい話はないだろうと心の中で疑う僕。
紹介してくれたセネガル人もそれを察したのか、こう言ってきました。
「驚くかもしれないが、セネガルではしばしばこういう事があるんだ」
え…この国、すごすぎない…?
出発前からそんな風に思いながら、日本を出たわけです。
空港には、そのホストファミリーの人が迎えに来てくれる予定だったのですが、それでも夜中はなかなか不安でした。
飛行機到着から2時間半後、ようやく合流。
ほっと一安心。
彼の運転する車で家へ到着。
部屋に案内してもらい、寝ようとしましたが、蚊帳が穴だらけ(初日は無かった?)。
案の定、あまり眠れずに起きると、顔も身体も蚊に刺されてボコボコでした。
とは言え、こんなのは想定の範囲内でした。
朝起きると、そこには見た事の無い景色。
家の近所を歩くと、異臭を放つ汚い川?がありました。
昨晩ボコボコに刺された顔を触りながら、少し不安を感じる僕。
彼から、家のみんなを紹介されました。
子ども、めちゃ可愛い。
また、家の中も色々案内されました。
その流れで、家の敷地内にある養鶏・鶏肉加工に関する設備(彼は「工場」と言っていた)を見せられました。
「ここを完成させるのにお金がいるんだ」
そう言う彼に、そうなんだと答える僕。
翌日。
「それで、どう思う?お金出す気になった?」
彼から急にそう質問をされました。
何の事?と尋ねると「鶏の工場だよ」との事。
出資を求められて戸惑った僕は、
「来る前、アパートを借りずにホームステイを選んだ時にも伝えた通り、お金はあまり無いんだ」
と伝えました。
「そうか」
と言う彼。
さらにその翌日。
彼から衝撃の一言を言われました。
「3日以内に出て行ってくれるかな」
・・・えっ…?
どういう事…?
1年間って話は…?
(後から知りましたが、なぜか全くわかりませんが、彼は僕が「その設備に投資を検討するために日本から来た」と思い込んでいたらしい。いまだに謎な事の一つです)
という事で、セネガル到着3日目にして、なんとホームステイから一転、いきなりホームレスになる事に。
しかも出るまでの期限3日って。
しかもこの時点で、僕はまだネット環境もありませんでした。
ヤバい、詰んでる…
まずはネットに接続しようと考えました。
聞けば、USB型のwifiのモデムが携帯電話会社で手に入るらしい。
その日は遅かったので、翌日行く事にしました。
翌日。
携帯電話会社があるらしい場所を聞いた僕は、そこへバスで一人で向かいます。
はじめてのバス。
連日眠れないせいで、具合が悪かった僕。
速攻で気持ち悪くなりました。
「頼む、早く着いてくれ…」
祈るような気持ちで乗り続ける事約1時間(?)、ついにその場所らしき所に到着。
バスを降りて携帯電話ショップを探し、発見。
スムーズにお目当てのモデムを手に入れる事に成功。
早速持参のパソコンで試してみたところ…
なんと動きません。
ここで携帯電話会社の人に設定方法を聞いて言われた一言、いまだに忘れられません。
「ここには設定の方法を分かる人がいません」
え、なんで…?
売ってるのに…?
じゃあどうすればいいんだと聞くと、またなかなか驚きの一言が。
「そこの車のパーツ屋さんにパソコンに詳しい人がいるから彼に聞いて」
まじか(笑)
セネガル、想像を超えてきます。
携帯電話会社の人が、車のパーツ屋さんを紹介するって笑
話しかけたら謎のイベント発生。
気分はさながらドラクエの主人公。
そう思いながら、とりあえず言われたパーツ屋さんに行って、聞いてた名前を伝えたら、なんかパソコンいじってる奴が。
名前を聞いたらどうやらその人のようです。
「見せてみろ」
と言うので早速見せると一言。
「俺はできるけど、中国語(日本語です)だから分からない」
「言語設定をフランス語にしてから来い」
なるほどそう来たか。
そもそもネットに繋げなくて困っている奴に、言語パックをダウンロードしろと要求するとはなかなかやるな。
という事で、ネットカフェを探す事に。
意外とすぐ近くにあったので、早速中に入ると、有線でネットを使えるパソコンはあるが、Wi-Fiが無いとの事。
僕のパソコンは小さく、LANケーブルの挿し口が無いため、教えてもらった別のネットカフェへ向かいます。
教えてもらった道は、大通りから外れた砂利の小道。
本当にこんな所にあるのか?と思いつつ進む事数分。
薄いベニヤ板の扉のついた、6席位の小さなネットカフェを発見。
店内は埃だらけです。
恐る恐るドアを開けると、右手に小さな受付が。
そこにいる男性に挨拶をし、Wi-Fiがあるか聞いたところ、なんとあるとの事。
なんでWi-Fi使いたいの?と聞かれ、セネガルでやりたい事(3つの理念)や、いま家探しをしている事などを話した僕。
すると、彼から衝撃の一言が…
「すごくいいね。明日からウチに来なよ」
え…?この国ほんと何なの…?
そんな軽く家に知らない外国人泊めてくれるの…?
と、親切心に驚いた僕。
とは言え、今回の発端となった事件もあった事から、さすがに慎重になっていました。
残り数日で自力ですぐ住む場所が見つかるとは思えないし、ましてやいきなり身寄りのない状況になるよりは、誰かにお世話になった方が良いのだろうか。でも、お世辞にもキレイとは言えない、というかボロボロのネットカフェの受付をしている人の家って、どんなところだろう。そこに行くよりは自分で宿を手配した方が良いのでは?と、一瞬で色々と考えました。
でも、なんか直感的に思いました。
「行ってみよう」と。
そして翌日、ついに彼の家に行く事に。
すると、そこには驚くべき光景が待っていました。
(第9話へつづく)