「星の王子様にも出てくるバオバブってどんな木?」
「なんで悪魔の木って呼ばれてるの?」
日本人からすると馴染みは物語の中くらいしかない「バオバブ」。
ですが、最近はアルガンオイルより美容に良いと言われるバオバブオイルや健康に良いバオバブパウダーなどから、バオバブの木自体にご興味をお持ちの方も多いと思います。
そこで今回は、バオバブの木について紹介します。
(この記事は、日本初のセネガルガイドブック著者のセネ山( @africa_shokai )がお送りします)
目次
バオバブの木とは【名前の由来・種類】
バオバブの木は、アフリカに多く存在する、見た目が独特な巨木です。
名前の由来
よく色々なサイトで
”「バオバブ」という名はセネガルの現地語で「種の多い果実」という意味の「Baohiba」に由来する”
みたいな事が記されていますが、セネガルの言葉というより元々はアラビア語の「بو حِباب(būħibāb)」からきているといった方がより適切で、その意味も「多くの種の父」といった感じです。
バオバブの木の種類
マダガスカルに6種、オーストラリアに1, 2種、アフリカ大陸に2種の原生種が存在しています。
生息地
バオバブの木は、マダガスカルの乾燥地域、アフリカ大陸、アラビア半島、そしてオーストラリアに生えています。
セネガルにもたくさん生えていて、国のシンボルの一つになっています。
樹齢
バオバブの木はとても長生き。
南アフリカにある世界最大のバオバブは、樹齢6千年と言われています。
バオバブの木は悪魔の木?
バオバブの木はなぜ悪魔の木と呼ばれているのでしょうか?
悪魔の木の由来はバオバブの「形状」
それは、バオバブの形状に秘密があります。
バオバブは、太い幹にちょろちょろとした枝がついています。
この独特なフォルムが、
「まるで木の根っこを引き抜いて、さかさまにしたみたい」
と言われていて、
「悪魔が引っこ抜いた」
と言われているところから、悪魔の木という異名がつけられています。
バオバブの木は「聖なる木」「生命の樹」
実際は、バオバブは「聖なる木」「生命の樹」としてとても大切に扱われています。
バオバブは巨大で大きな木陰を作るため、人々の「休息所」として憩いの場になっていました。
また、単なる巨木としての価値だけでなく、
・実の果肉は「食料」
・実の殻は「容器」
・樹皮は「建材」
として、人々の生活を支えてきました。
そこから「生命の樹」という異名がついたと言われています。
また、木の幹にできた穴は、
・住居
・お墓
・家畜(羊など)の追い込み場所
・刑務所
・裁判所
・水の貯蔵所
などに使われてきた歴史があります。
お墓に使われていたという事で「聖なる木」と呼ばれているのも納得です。
現代の日本でも、
・美容と健康にきくスーパーフード「バオバブパウダー」
・アルガンオイルより美容に良いと言われる「バオバブオイル」
などのバオバブ商品は女性中心に人気があります。
バオバブは、常に人々から重宝され、さまざまな恵みを与える事から、まさに「生命の樹」と呼ぶのにぴったりの巨木だと言えます。
バオバブの木の花言葉は「無い」僕がつけるなら…
バオバブは魅力的な木だからでしょうか?
「バオバブの木 花言葉」と調べる方が多いようですね。
花言葉は、ヨーロッパ発祥の文化。
そのためか、残念ながらバオバブの花言葉は無いようですね。
僕がつけるとしたら、「吉田沙保里 強くて可憐な乙女」かな。
バオバブの木はがっしりと強靭ですが、花はかわいいので。
ちなみにwikipediaでは、花言葉は「19世紀初頭のヨーロッパで盛んになった」としか記されていませんが、実は、ギリシア・ローマ神話や聖書などに起原があります。
花言葉についての本はたくさんありますが、そうした花言葉集とは一線を画す本格的な本が『花ことば―起原と歴史を探る』。
時代と共に変遷した花言葉の歴史を、イギリスやフランスの文献を基にして解説している良書です。
ちなみに花言葉集でオススメなのは『花のことば辞典 四季を愉しむ』。
日本の四季を彩る「1041の花」の花言葉はもちろんの事、花がもつエピソードや慣用句、そこにちなんだ芸術作品まで紹介されています。
バオバブの木、日本国内の植物園にもあります
実はバオバブの木、数本だけですが、日本国内に上陸しています。
京都府立植物園ではバオバブの花が見れるそうですが、一番大きいのは、広島県広島市にある「市植物公園」の大温室のバオバブ。
とはいえ、直径はわずか2m(円周6.3m程度)。
ちなみにセネガルには、直径30mを超える超巨大バオバブがあります。
(記事後半に写真あり)
『星の王子さま』とバオバブの木
名作と名高いアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの小説『星の王子さま』。
この作品は、日本で「バオバブの木」の名前を大きく広めました。
『星の王子さま』はバオバブのある星に住んでいた
『星の王子さま』の王子が住んでいた星は、なんと家1軒分ほどの小さな島。
そこには3つの火山と1輪のバラの花、そして星を割ってしまうほど大きなバオバブの木があります。
『星の王子さま』の著者「サン=テグジュペリ」とセネガルの深い関係
『星の王子さま』の著者「サン=テグジュペリ」、実はセネガルと深い関係がありました。
ご存知の方も多いと思いますが、サン=テグジュペリ氏は元々飛行機のパイロット。
航空郵便(アエロポスタル)の発展に大きく寄与した偉人です。
実はサン=テグジュペリ氏は、トゥルーズからセネガルへ郵便を運んでいたのです。
なので、彼の作品に登場するバオバブはセネガルのものでしょう。
星の王子さまのバオバブをその目で見たい方は、ぜひセネガルへ。
初アフリカ旅行にセネガルがおすすめの理由や、アジアやヨーロッパ・日本と比較したセネガルの治安についても参考にしてみてください。
セネガルのバオバブの木は「縄文杉の2倍の円周」
セネガルにも、樹齢850年と言われているバオバブがあり、「聖なるバオバブ」と呼ばれています。
その円周はなんと32m。
縄文杉の円周が17mですから、約2倍の大きさです。
詳細はセネガルの観光地について僕が記した記事や、ガイドブックをご覧ください。
次の長期休暇は、ぜひセネガルにバオバブを見に来てはいかがでしょうか。